日帰り手術

いびき治療

近年、「いびき」をかく人には、睡眠中に10秒以上呼吸が停止する(30回以上)睡眠時無呼吸症候群という疾患が知られ、健康に及ぼす影響が心配されている。
呼吸運動があっても上気道の閉塞により換気が停止する閉塞性、呼吸中枢の障害による中枢性、両方を持つ混合性がある。
呼吸が停止すると、酸素が不足し、「寝苦しい」「息苦しい」「咳き込む」などの症状があり、睡眠不足となる。そのため、早朝には頭痛、日中は眠気があり、時には性格が変化することがあります。また、酸素不足により循環機能に負担がかかり、不整脈、高血圧、心不全、糖尿病といった様々な問題が出てきます。

◆検査

終夜睡眠ポリグラフ検査:呼吸状態、酸素飽和度、気管音などを睡眠中に記録し、無呼吸状態を見る。
X線、CT、MRI、内視鏡検査が必要なこともある。

◆治療

1.生活習慣の工夫
比較的軽度であれば、家庭でちょっとした工夫で改善します。例えば、横向きに眠る、枕を低くする、アルコールを控える。明らかに太っている人は減量する。睡眠薬の摂取を止めるなどです。

2.マスク療法
頭部固定のゴムマスクを鼻に装着し、加圧した空気を鼻から気道に送り込みます。睡眠時無呼吸症候群の第一選択として用いられています。

3.マウスピース
マウスピースを口にはめることにより下顎を前に出し、睡眠時に落ち込んでいた下顎や舌が前にきて気道が開くようにします。

4.外科手術
気道内の扁桃の極端な肥大、口蓋垂(のどちんこ)が極端に長い人は外科手術の必要があります。外来で炭酸ガスレーザーにて施行できます。いびきのレーザー治療は従来の外科手術と同じ原理で治療を行いますが、炭酸ガスレーザーを使用することによって局所麻酔で、痛みや出血が少ない治療が可能になっています。
治療は、気道をふさぐ口蓋垂の周辺部にレーザーを照射し、少しずつ除去していきます。喉の空気の通り道を広げてやることで睡眠時の粘膜のふるえをなくし、いびきを軽減させるのです。

単純いびき症や軽症の閉塞型の睡眠時無呼吸症候群の方が手術の対象となります。手術は椅子に座ったままで施行できます。最初に、ゼリー状の麻酔薬で嘔吐反射を防ぎ、次に、口蓋垂や咽頭の奥の粘膜表面に麻酔薬のスプレーをします。最後に3〜4ccの局所麻酔薬を切除する口蓋垂と軟口蓋周囲に注射し、数分待って麻酔薬が充分に浸透してから手術を始めます。局所麻酔などの前処置をあわせても、45分位で終了します。

<治療の限界>
1.遺伝的、生活習慣的、加齢的理由による再発がありえます。特に単純性のいびきではなく、肥満や循環系疾患、中枢性疾患、鼻咽喉疾患がある場合は、局所の問題は改善されても、その他の部位はまだ未治療のままで残っているからです。

2.人により期待した程の効果がないと感じられることもありえます。いびきが完全になくなるわけでもありません。いびきの音色が変化することもあります。

3.手術直後からいびきの量が劇的に改善されるのではなく、約3〜4週間以降(手術や麻酔の影響が消失後)効果がでてきます。その間、人によりいびきの音が悪化することもあります。

<合併症>
1.内出血や出血・レーザーメスですので極めて少ないのが一般的ですが、万一認められましたら直ちにうがいをしたりして局所を清潔につとめ、それでもとまらない場合は直ちに来院して下さい。

2.うがいをしたり、水を飲むことが、以前より違和感を感じることがあります。これらは自然になれていき消失していくのが一般的です。

3.術後の食物は軟らかい物や、ぬるい物、味のうすい物にしてください。

ワキガ

主としてわきの下にあるアポクリン汗腺から分泌された汗が皮膚のあぶらと混じり、毛根にひそんでいる細菌に分解されたときに発生する特有のにおいをわきがといっています。
第2次性徴で毛の生えるところにはアポクリン腺が存在しますので陰部からにおうこともあります。耳垢がじくじくしている人はワキガの可能性が高いです。これは外耳道にもアポクリン腺が存在するためです。アポクリン腺は全てに人にあるわけですが、におう、におわないはアポクリン腺の数の問題のようです。そして遺伝的な要素が大きいといわれています。

治療の方法

1.保存的治療
清潔、制汗剤、食品(シャンピニオンエキス)、ワキ毛の自己処理(電気シェーバー)など。
2.永久脱毛
ワキガにレーザー脱毛は一時的に効果あり。手術に併用するとよい。効果40%
3.交感神経節ブロック(保険適応の可能性あり)
4.最近BOTOX皮内注射がはやっています。(約半年有効)
5.手術
最近、クワドラカッターという機械を改良した、新しい皮下組織削除機が登場し、多くの医療施設で用いられるようになりました。この機械は細い管の中に回転する歯がついていて、皮膚の下にある汗腺をその歯で削りながら吸引して取り出してしまう、とても優れた医療器械です。小さな穴から手術ができ効果も安定しています。

手術時間は左右のワキで約40分ほどの無痛手術です。
皮膚裏側の組織をとるので、タイオーバーという圧迫包帯をします。

ワキを濡らさないようにしてもらえばその日から入浴、シャワーもできます。翌日の仕事や学校を休む必要はないでしょう。傷は1ヵ月くらいで目立たなくなる人がほとんどです
ワキに緊張がかかることが少ない方が傷は早くきれいになります
最初のうち少し引きつり感がある場合がありますが時間と共によくなります

この手術によりワキガの8割程度の汗腺が削り取られると思えばいいでしょう。
これで実用上十分であり、ほぼ全ての患者さんに満足いただいております。

下肢静脈瘤

下肢には足の中心部を流れる太い深部静脈と皮下に流れる大伏在静脈、小伏在静脈があり、これらの静脈は交通枝でお互いにつながっています。

静脈には内腔に弁があり、血液が逆流するのを防止していますが、筋肉の収縮や弛緩によるポンプ作用で心臓の方へ環流します。

お産の後や、長時間の立ち仕事(美容師、調理師、店員など)では静脈の圧迫や重力で下肢に血液が貯留し、静脈は拡張します。血液の貯留に静脈の弁が耐えられなくなると弁不全となり、深部静脈内の血液が大伏在静脈や小伏在静脈に逆流し皮下に静脈留が発生します。下肢に、酸素濃度の低い静脈血が常に貯まり(静脈うっ血)、皮膚、皮下組織、筋肉などが酸素不足となるため、足がだるい、重い、むくむ、こむらがえりなどの症状が出てきます。

静脈のうっ滞が更にひどくなると、静脈瘤内に血栓が出来たり(血栓性静脈炎)、皮膚が色素沈着したり、最もひどい場合には皮膚潰瘍となります。

◆治療方法

1.圧迫療法

<弾性包帯>
伸縮性のある包帯を巻きつけ血管を圧迫します。自分で巻くことや慣れないうちは一定の圧迫力をキープする事が難しく、治療効果は安定しません。

<弾性ストッキング>
手軽に安定した圧迫力が得られるように考え出されたのが弾性ストッキングです。最近では薄い素材で圧迫力のあるものも製品化され色やデザインもおしゃれになりました。しかし現実的には圧迫療法だけで治そうとするのは困難です。

2.硬化療法
静脈のなかに硬化剤とよばれる薬剤を注入し、静脈の内側の壁と壁をくっつけてしまったり、血栓をつくり詰めてしまいます。

3.手術療法

<ストリッピング>
下肢静脈瘤の根本的治療法としては弁不全のある静脈を取り除いてしまおうという手技です。硬膜外麻酔あるいは腰椎麻酔で行います。悪くなった血管内にワイヤーを通し、ワイヤーを引き抜くことによって静脈瘤を取り去る手技です。わずかな可能性ではありますが、血管を引き抜く際に神経を痛める神経障害がおきる場合があります。手術後半年位のうちには軽減します。

<外来における高位結さつ術>
弁不全のある静脈と深部の静脈の合流する血管をしばって切り離すことによって再開通を防ぐ方法です。ストリッピングと異なり外来の日帰り手術で治療できることが特徴です。

<(高位結さつ術)+硬化療法>
手術後、しばった血管のほかの細い静脈に対して硬化療法を併用する事により、再発を防ぎ治療効果を著しく高めています。

4.そのほかの治療
最近では、壊れてしまった弁を作り直す弁形成術や血管内視鏡を使った手術も行われるようになりましたが、手術成績はまだ一定しておらず今後に期待がよせられます。

痔の手術

痔

肛門はおしりの穴で、便がスムースに通過するのが普通ですが、便秘などで強く踏んばったり、硬い便が通過すると肛門の周りに傷が出来てしまいます。さらにそこに細菌が入り、感染すたりします。そうすると様々な症状が起きます。これが痔というものです。また、長時間同じ姿勢をとっていると、肛門の周りの血行が悪くなり、症状が悪化することがあります。「一般に痔には薬で完治るもの」と、「一旦治ったように見えてもすぐに再発してしまうもの」の2種類があります。後者を完治するにはやはり手術が有効です。症状の軽いものも、放っておくと悪化して慢性化してしまいますので注意しましょう。
主な「痔」を以下にまとめてみました。

1.いぼ痔
いぼ痔には2種類あります。
肛門の内側にいぼのようなものが出来るのを内痔核といい、ポタポタ出血しますが痛みは少ないのが特徴です。
また、肛門の外側(触って分かる所)に<出来るのが外痔核で、肛門部に丸く突き出て、ズキズキと痛みます。
【なぜできるの?】
便秘、不規則な食事、腰の冷え、など

2.きれ痔
硬い便などで肛門にできた切り傷がきれ痔です。排便の時に出血して非常に痛み、排便後もしばらく痛みが続きます。
【なぜできるの?】
便秘、不規則な生活、片寄った食事、腰の冷え、など

3.痔ろう
上の2つの痔とは基本的に異なり、感染症の一種といえます。肛門内に菌が入り込んで
膿ができ、肛門の回りにおできできます。このおできが破れ貫通したものが痔瘻です。皮膚が赤く腫れ上がり、排便と無関係に痛みます。熱が出ることもあります。
【なぜできるの?】
不潔、便秘と下痢のくり返し、など

◆予防するには

    1.毎日入浴する
    2.便秘と下痢に注意する
    3.トイレは力まずに
    4.長く座ったままの仕事や長距離ドライブはなるべく避ける
    5.腰やおしりを冷やさない
    6.お酒、辛いものを避ける
    7.野菜を食べる

◆もし痔になったら

    1.肛門をせっけんで洗ってはダメ
    2.床に座るときにはあぐらよりも正座で
    3.坐薬を入れるときには横になって
    4.出血したら用便をストップする
    5.早めに病院へ

◆痔の手術

痔核の手術法
手術の概要
手術の特徴
手術時間
PPH法
直腸粘膜全周を環状に切除することにより粘膜のたるみが消失し、さらに痔核への血流が遮断される事より脱肛・痔核を退縮・治癒させる手術 術後の疼痛が少なく、早期社会復帰が可能。肛門縁に傷がないので、消毒が不要である
約30〜40分
痔核切除術
(レーザー)
出血が少なく、深部への熱傷を起こしにくいレーザーを用いて痔核を切除する 従来の電気メスで切除する方法と比較して肛門狭窄等の合併症が少なく、創部痛もやや軽い
約30〜40分
痔硬化療法
痔核に硬化剤を注入する事により、痔を固めて出血を止める治療法で痔核の退縮も期待される 麻酔が不要で短時間で簡単に行える。痛みも少なく、出血の多い痔に有効である
約5分

日本で痔に悩む人は、3人に1人。症状に出ない方まで含めれば、ほぼ成人の半数が痔であると言われています。二本足で歩くヒトのお尻は、四つ足の動物と違い心臓より低い場所にあります。従がってうっ血しやすく、痔になってしまうのです。人類の持病ともいえる「痔」。最新の手術により「痛い」「恥ずかしい」「時間がかかる」という3つの問題をクリアーすることができます。

まずは、痔硬化療法を行い、状態を見て、さらに検討、手術を行います。

入院の必要がなく、翌日から日常生活に支障がない「日帰り手術」。最新の医療技術を取り入れた当院の治療法は、皆様に自信を持ってお勧めできるものです。翌日から排便することができ、当然入院の必要もないのです。仕事や主婦業などで入院はとても無理、短時間で治療したいという患者さんに大変喜んでいただいています。手術後2〜3時間ほどで帰宅できます。翌日にキズのチェックをし、1週間後と3週間後に最終チェックを行いこれで全て終了です。

多汗症

多汗症とは、基礎疾患が特に無く、季節(気温・湿度)とは無関係で、かつ発汗部位が手掌(てのひら)・足の裏・腋下に限局している精神性の発汗です。通常幼少時から発症し、思春期に増悪して以後年齢とともに症状は軽くなる傾向にリます。原因として遺伝的素因や自律神経調節障害がいわれていますが、いまだ明らかにされていません。

これまで治療法としては心理療法・内服療法(抗コリン剤など)・外用療法(制汗剤など)が試みられてきたようですが、効果が不十分であり、結局手術が唯一の治療法です。

手術は胸部交感神経遮断術といわれるもので、健康保険適応です。手術により、全例直ちにてのひらの発汗が停止します。胸部交感神経幹を第2、3肋骨上で遮断します。交感神経の過剰な反応で収縮していた手のひらの毛細血管が拡張し、皮膚の血流が豊富になります。それまで冷たかったてのひらの皮膚温が上昇し、普通のリラックスしている時のてのひらの暖かさとなります。わきの下の発汗もこの手術で約70%の人に有効です。脇の下は普通の人並みかそれ以下のレベルまで発汗が減少します。しかし、発汗が完全に停止することはありません。温熱性発汗(脇の下)は完全に止めることができないからです。足底の発汗は、この手術で一時的には改善しますが、元に戻ることが多いようです。この手術はレーノー病にももちろん有効です。

<術後の合併症>
代償性発汗というものがあります。手の発汗が他の部位に現れます。手術部位、手術の程度にもよりますが、個人差も大きいようです。ふだんから汗かきで肥満の人は代償性発汗がきびしくなります。あまり汗かきでなく、痩せた人は肥満の人に比べて代償性発汗が幾分軽い傾向があります。しかし、代償性発汗の程度は手術前に予測するのは不可能です。代償性発汗を最小限にとどめるような手術方法が必要です。

まず、片側だけの手術を行います。片側手術の後の代償性発汗は小さいからです。
代償性発汗にかかわる反射弓(それを切除することによって代償性発汗の原因となるような神経の部分)をできる限り温存保護いたします。

直径3ミリのスコープ(胸腔鏡)を用いて、わきの下1個所だけ(多施設では片側で2ヵ所です)の皮膚切開で可能になりました。わきの下を5ミリだけ皮膚切開します。脇の下1カ所だけです。フレキシブルなディジタルスコープは、開胸手術を受けたことのある人や胸腔内に癒着の認められる困難なケースなどに使用いたしております。

手術の痛みは軽いです。 (手術手技が洗練されてきたためもあるかも知れませんが、痛みは軽くなってきております)。大概の方は当日、普通に退院なさいます。きわめて高い手術成功率です。

代償性発汗が気になる人は、止めるのではなく減らそうと試みるのが良いでしょう。それには、塩化アルミニウム含液クリームの外用(多汗部に直接塗布)が、有効なことがあります。
*テノール液(佐藤製薬)、*オドレミン(日邦薬品)